2011年06月15日
第74回定期批評(音楽現代)
音楽現代7月号に、以下の批評が掲載されました。
音楽現代7月号より
スメタナの連作交響詩「わが祖国」からヴルタヴァ(モルダウ)河の流れの情景変化と共に音楽の喜びがひしひしと演奏の中より伝わり、後半すごい盛り上げをみせクライマックスに持っていった内藤の力は見事。西村朗の「樹海」は二十絃筝とオーケストラのための協奏曲。叫ぶ如き音の渦の中で吉村七重の箏が燦然と輝き大きく自己主張をする。西村の思考哲学と共に聴者を異次元の世界へと引き込んでいった。管弦楽も見事だった。この日のハイライトはドゥヴォジャークの交響曲第9番「新世界から」であった。開演前の指揮者のプレトークによるとこの曲の譜面に実に数多くの問題があったのに、それらの誤りを正しいと信じ込んで論評をかいたりしてきたそうだ。今回内藤氏が膨大な校訂を行ない「新校訂版世界初演」とする。演奏の方は2楽章の旋律の独奏も素敵で沈殿した中の静寂な雰囲気が心地よい。終楽章では、すごい執念が伝わり内藤の力と共にこのオケ独特の「新世界」が聴けたのだ。(家永 勝)




















