第70回定期演奏会 <創立20周年記念演奏会>
巨匠たちのロマンを鳥に込めて
大空に舞う鳥たち。人間は古代から飛翔へのあこがれを抱き大空を見上げてきました。鳥は私達の心理の中の自由や解放、そして新たな世界への飛躍の象徴です。
実は今回のプログラミングは、二つの意味合いを持って居ます。
ひとつには東京ニューシティ管弦楽団の20周年という節目に、これまでの歴史を振り返り、未来へつなげるという意味、そして時系列を越えた東西の巨匠が「鳥」に抱いた思いの聞き比べです。
飛べない鳥-鶏、絶滅に瀕している鳥-朱鷺、古(いにしえ)の鳥の復興-レスピーギ、不死鳥伝説-ストラヴィンスキー。東京ニューシティ管弦楽団の歴史を重ね合わせ、不死鳥としての未来への思いを託したプログラムです。今回は作曲家の時系列ではなく、このような思いからの演奏順となっています。
一方、今を生きる作曲家の作品を演奏し、紹介してゆくと言うことは現代に生きる演奏家としての使命です。また価値ある作品を見抜き、自信を持って来てくださるお客様に推奨することは、音楽家としての義務と感じています。同時に聞き慣れない曲目とどの様な作品を組み合わせて聞いていただくかも、コースの食べ合わせを考えるシェフと同様、指揮者-シェフ-としての重要な能力と思います。
現代日本を代表する作曲家のお一人、吉松隆さんは数々の名作を残していらっしゃいますが、今回演奏される「鳥はふたたび(2000年)」はフィンランド、第三回オウルンサロ音楽祭の為に書かれた作品で、私が初演指揮した曲目です。千の湖の国、鳥が歌う森の中の音楽祭で、今回演奏する三曲は演奏されましたが、この組み合わせは皆さんの心の琴線を振るわせる事間違いないと思います。
ハイドンの「めんどり」はタイトルとは裏腹に、ドラマチックな作品です。しばしば名曲解説辞典に取り上げられる「鳴き声を模した第二主題」がメインの曲ではなく、ト短調という調性がもつ劇的なインパクトが魅力です。故若杉弘先生はこの曲を著名なモーツアルトの四十番、二十五番という二つのト短調交響曲に並ぶ物と賞賛されていました。
本日の組み合わせは、大好きなストラヴィンスキーの「火の鳥」とともに私が長年暖めてきたプログラミングの一つです。
200年の時と国境を越えてならぶ、人間のあこがれとロマンチシズムを鳥に託した曲達。
滅多に聞くことの出来ない、贅沢な取り合わせをお楽しみ頂きたいと思います。
曽我大介
| 曲目 | ハイドン/交響曲第83番 ト短調 Hob.1.83「雌鶏」 吉松 隆/鳥三部作(「朱鷺によせる哀歌」「鳥は静かに…」「鳥はふたたび」) レスピーギ/組曲「鳥」 ストラヴィンスキー/組曲「火の鳥」(1919年版) |
|---|---|
| 出演 | 指揮:曽我 大介 |
| 開催日時 | 2010年9月4日(土)14:30開演/14:00開場 |
| チケット | S席:6,000円 / A席:4,500円 / B席:3,000円 / C席:2,000円 / リラックスシート:3,000円 学生半額(25才以下、A,B,Cのみ) |
| 会場 | 東京芸術劇場大ホール |






















